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オリンピックの男子サッカーには、なぜ年齢制限があるのか?理由と背景を解説

前回の記事ではワールドカップとオリンピックの違いについて解説していきました。

 

しかし、「なぜオリンピック男子サッカーには年齢制限が存在するの?」と疑問に思われる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、オリンピックに年齢制限が設けられた理由や背景について解説していきますねー

 

結論を先に申し上げます。

オリンピックの男子サッカーに年齢制限が設けられた理由は、IOC(国際オリンピック委員会)とFIFA(国際サッカー連盟)の大会運営を巡るいざこざの妥協案として年齢制限が採用されたからです。

オリンピックは元々はアマチュアの大会

では、IOC(国際オリンピック委員会)とFIFA(国際サッカー連盟)が確執した原因についてお話ししていきますが、理解を深めて頂くために、前置きとしてオリンピックについてお話ししていきます。

世界最大のスポーツの祭典であるオリンピックですが、元々はアマチュア選手のみが出場できる大会でした。つまり、プロに出場資格はありませんでした

 

古代ギリシャで行われていたスポーツの祭典がオリンピックの発祥とも言われていますが、元来は一般人の身体能力No.1を決める大会でした。

 

それ故に、「オリンピック出場者はスポーツによる金銭的な報酬を受け取るべきでは無い」と考えるアマチュアリズムが大会の運営方式でした。

 

しかし、アマチュアリズムでの運営は、様々な問題に直面したため1974年にIOC総会でオリンピック憲章からアマチュア規定が削除されました。

●削除された理由

・アマチュアでは競技レベルが低く興行にならない

プロ選手と比較するとアマチュア選手では、競技のレベルが最高峰レベルにはならず、見ている側もつまらなくなるため興行として成り立ちません。

オリンピックには莫大な経済効果がありますが、お金が動かなければ大赤字です。実際に1976年のモントリオール大会では10億ドルの赤字が出てます。

・スポーツにはお金が掛かる

金銭的余裕の無いアマチュア選手が無収入で用具やトレーニングに掛かる費用をまかない続けるのは不可能です。

・ステートアマチュアの存在

ステートアマチュアとは、国家が援助・養成しているアマチュア選手です。

アマチュアと表記されていますが、実際は国家プロジェクトで育成されたプロ選手です。社会主義国家にはプロは存在しないという理屈のもと、旧ソ連や東ヨーロッパ諸国がメダルを総なめにする事態が発生しました。

これらの問題点が浮き彫りになっていましたが、1980年にIOC会長に就任したサラマンチ会長はプロ選手出場を容認していきました。

 

こうして、オリンピックのアマチュアリズムは消え去り、プロ選手が出場していくようになりました。

IOCとFIFAの大会運営を巡る対立

前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

プロ選手出場を解禁したIOCですが、それを良しとしなかったのがFIFAです。

 

理由は、オリンピックにプロ選手が出場してしまうとFIFA主催のワールドカップと差別化ができなくなってしまうからです。

 

もしオリンピックに各国A代表が出場することになれば、ちょっとした違いはあれど、2つの似たような世界最高峰の大会を開く必要性を問われかねないんですよね。笑

 

要するにオリンピックにA代表が出るんなら別にワールドカップやらなくてもよくね?って言われちゃう恐れがあるってことです。

 

そこでFIFAはオリンピックにプロ選手を出場させることを認めませんでした。

 

オリンピックにプロ選手を出したいIOCオリンピックにプロ選手を出したくないFIFAは対立します!

話は平行線でお互いが譲ることはありませんでした。そこで妥協案として、「オリンピック男子サッカーに限り、年齢制限を設ける」案が採用されました。

 

この流れでオリンピック男子サッカーは原則23歳以下の選手しか出場できないようになりました。

いちサッカーファンとしてはオリンピック、ワールドカップ共に各国A代表の試合を見たいですが。笑

まとめ

今回は何故オリンピック男子サッカーには年齢制限があるのかを解説していきました。

オリンピックにプロ選手が出場することにより、ワールドカップの必要性を疑われたくないFIFAが駄々をこねた結果、オリンピックでは年齢制限が採用されることになりました。

まあ、大人の世界にはいろいろあるってことですね。笑